ジャンパ連結器雑記帳
No.35 マヤ検 (その2)
今回は8月31日に信越・白新線で施行されたマヤ検をご紹介します。もちろん興味の対象はクモヤ,スヤ,マヤ,165とバラエティ−豊かな車輌達の間に渡されるジャンパ連結器です。前回に引き続き今回はどんな特殊なジャンパ連結器にお目にかかれるのでしょうか。
まず1両目はクモヤ143-51です。信越線に残っていた客車列車の電車化の為にクモニ143として登場しました。その後郵便・荷物輸送の廃止に伴い職を失い,昭和62年に2両がクモヤ143-51,52に改造され,他の仲間はクモハ123へ改造されました。現在は51が新カヌ,52が長モトに配属されています。写真は新カヌの51号です。
上の写真はクモヤ143-51の後位ジャンパ連結器を移したものです。4位は外側よりKE70,KE76,KE76各栓受けが装備されています。一方3位側は妻板部にKE76用栓納めのKER4-4形が2個付き,床下にはKE76栓受けが2個装備されています。写真はありませんが前位側は1位がKE76栓受けが2個,2位側は妻板にKER4-4形栓納めが2個,床下には外側よりKE70,KE76,KE76栓受けが装備されています。すなわちKE76×2は前位・後位共に両渡りに配置され,KE70は2・4位にのみ装備されています。
クモニ143時代は115系冷房車との連結が考慮されており前位・後位共にKE76栓受けが3個,両渡りに装備されていました。またKER4-4栓納めは2・3位にやはり3連で装着されていました。
クモヤに生まれ変わり115系の冷房や方向幕を制御する必要が希薄であることよりKE76(補助回路2)が1個撤去され,その代わりに連結出来る異系車種を増やす為に汎用形とも言えるKE70が装備されました。
クモヤ143-51の次位に連結されていたのは仙セン所属のスヤ50-5001でした。光を用いた非接触型の建築限界測定車で平成7年に大宮工場でオハフ50より改造され,現在1両のみが存在します。
下の写真はスヤ50-5001のジャンパ連結器を撮したものです。スヤのジャンパ連結器は前位・後位共に両渡りに配置され,妻板部に低圧回路用のKE64ャンパ栓受けが2個,床下に高圧回路用のKE6が1個装備されています。
下の写真はクモヤ143-51(右側)とスヤ50-5001(左側)との連結部です。クモヤ143-51のKE76ジャンパ栓受けとスヤ50-5001のKE64ジャンパ栓受けとがそれぞれKE76+KE64特殊両栓ジャンパ線でつながれていることが判ります。また,高圧回路は連結されていませんでした。
次に連結されていた車は東オク所属のマヤ34-2002で軌道検測車です。ボディ−には軌道を検査するものの意を表す ”TRACK INSPECTOR”の文字が大きく描かれています。前回ご紹介した同じ東オク所属のマヤ34-2003との違いは電子機器の進歩を取り入れて,光や磁場を利用した非接触形検査方式で測定を行うことでしょう。
下の写真はマヤ34-2002に装備されているジャンパ連結器を撮したもので,やはり前位・後位共に両渡りに配置され低圧回路用としてKE59ジャンパ栓受けが2連,高圧回路用のKE6が1個使われています。
マヤ34-2003に在ったKE3やKE54ジャンパ栓受けは,おそらくリニュ−アル時に撤去されたのか2002号には取り付けられていませんでした。
下の写真はスヤ50-5001(右側)とマヤ34-2002(左側)の連結部です。スヤ50のKE64ジャンパ栓受けとマヤ34のKE59ジャンパ栓受けとがKE64+KE59特殊両栓ジャンパ線でそれぞれつながれています。やはり高圧回路のKE6は使用されていません。また,連結器は自連側でもエア−ホ−スを併用することで連結可能ですが,手間を省くためでしょうか密連側で連結されていました。
最後に連結されていたのはご存じ165系でマヤ側よりクハ165-105+モハ164-823+クモハ165-76で新カヌ所属のム−ンライト塗装車でした。
上の写真はマヤ34-2002(右側)とクハ165-105(左側)の連結部を撮したものです。マヤ34-2002のKE59ジャンパ栓受けとクハ165-105のKE64ジャンパ栓受けとがKE59+KE64特殊両栓ジャンパ線でつながれています。やはり連結されているのは低圧回路のみで高圧回路は連結されていません。
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