ジャンパ連結器雑記帳
No.29 マヤ検
 今回は4月15日に施行されたマヤ検についてご紹介します。今回施行されたマヤ検はしなの鉄道(軽井沢)〜篠ノ井線(塩尻)〜中央東線(岡谷)〜辰野線(塩尻)という経路で,軽井沢方よりクモヤ145-117(トタ)+マヤ34 2003(オク)+クモヤ145-118(ミツ)の編成でした。

 私はマヤとクモヤ間に渡されるジャンパ連結器を調査するべく軽井沢〜聖高原〜塩尻と車で追いかけました。

 左下の写真はマヤ34とクモヤ145-118の連結部を写したものです。マヤの双頭連結器はクモヤに合わせて密連側が使用され,低圧回路(制御)用ジャンパ線はKE59×2+KE80特殊両栓ジャンパ線が使われていました。一方右下の写真はマヤ34とクモヤ145-118間に渡された高圧回路用ジャンパ線でKE1+KE3特殊両栓ジャンパ線が使われていました。
 左下の写真はクモヤ145-117のKE86ジャンパ栓受けにKE80ジャンパ栓が挿入されているところを写したものです。KKE80ジャンパ栓からは2本のジャンパ線が引き出されており,各々他端にKE59ジャンパ栓を持ちます。

 右下の写真はKE59ジャンパ栓がマヤのKE59ジャンパ栓受けに挿入されたところを写したものです。

 以前ジャンパ連結器雑記帳No.15『運転所でみつけたもの』で札幌運転所のマヤ34 2008のジャンパ栓受けについて書きました。2008号の低圧回路(制御)引き通しにはKE53ジャンパ連結器栓受けが使われていましたが,2003号には何と!KE59ジャンパ連結器栓受けが使われていました。2003号をこの目で見るまではてっきりKE53が使われているものと思っていました。KE59はその昔電気機関車と20系客車との電話連絡とカニパン回路の引き通しに使われていた19心のジャンパ連結器で,最近での使用例は在りません。また,KE59を装着した電気機関車自体廃車が進みいつでも見れる存在では無くなってきています。また,2008号に装着されていたKE66ジャンパ栓受けも2003号に在りません。

 ということはマヤ34は配置区或いは各車各々で装着されているジャンパ栓受けが異なる可能性が濃厚となってきました。どうやらマヤ34を全車調査しなければならないようです。

 左下の写真はクモヤ145-117のKE6ジャンパ栓受けにKE1ジャンパ栓が挿入されたところを写したものです。KE1を挿入する場合,KE6栓受けの締め付け腕が使用出来ない為に,栓蓋と栓とをテ−プで固定し,栓の脱落防止を図っていることが伺えます。

 右下の写真はマヤのKE3ジャンパ栓受けにKE3ジャンパ栓が挿入されたところを写したものです。何と電車の高圧回路とマヤの電気暖房回路とが接続されているのです!。こんな凄いつなぎ方を見たのは初めてです。確かに電暖用補助回路を別にすれば双方共定格1500[V]ですから不思議ではないのですが・・・。
 右の写真はクモヤ145に搭載されていた特殊両栓ジャンパ線です。

 一番上の写真はKE3+KE1特殊両栓ジャンパ線で,今回クモヤとマヤの間に渡されていたものと同じものです。おそらくマヤ検に際して予備として積み込まれたものと考えられます。

 次の写真は117号に搭載されていたKE96+KE70特殊両栓ジャンパ線で,電線押さえ部が黄色に塗られた栓がKE96ジャンパ栓です。キ−溝が4時30分の位置に付いていることが判ります。その向こうに見えるのがKE70ジャンパ栓で締め付け腕のボルトが入る部位で判明出来ます。このKE96+KE70特殊両栓ジャンパ線はトタ区でクモヤ145と201系を連結する際に用いられるものと考えられます。

 一番下の写真はクモヤ内のジャンパ線置き場です。左手よりKE5,KE70-G2,KE70-1A 96,KE70-1B 96と表示されています。KE5は高圧補助(三相)用の引き通しに,KE70-G2は主に103系に使用されているポピュラ−な両栓ジャンパ線でクモヤ145と103系との連結に,KE70-1A 96とKE70-1B 96はクモヤ145と201系の連結に使用される特殊両栓ジャンパ線と考えられます。
  写真上;軽井沢駅でEC40,EF63,しなの鉄道115系と並ぶマヤ検クモヤ145-118
  写真中;ワイドビュ−しなのを待避して聖高原駅を後にするマヤ検クモヤ145-118
  写真下;塩尻駅でキヤ95,クモハ123と並んだマヤ検クモヤ145-117
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