ジャンパ連結器雑記帳
No.34 やっと陽の目を見たKE93 (4)
今回は予告通り昭和53年度本予算車34〜54のジャンパ連結器について紹介します。ジャンパ連結器は大胆に変化を遂げます。
上の8枚の写真は上から順番にキハ47 34,キハ47 35,キハ47 37,キハ47 38,キハ47 41,キハ147 49(元キハ47 49),キハ147 50(元キハ47 50),キハ147 54(元キハ47 54)の前位連結部付近を撮したものです。このグル−プより低圧回路用に使われてきた15心の2個のKE53から,61心のKE93 1個へと機種が変更されます。前述したKE91化は昭和52年度1次債務車限りであっさりとお流れになりKE93へと変更されました。しかしながら当時は既存のKE53×2装着車が多数を占め,これらの既存車との混結が必須であったことからそのままKE93を装着する訳には行きません。そこでKE93栓受けに,KE93栓と(KE53×2)栓受けを持ったKE94アダプタ−が同時に開発されました。要は家庭用の二股コンセントのようなものです。当該グル−プからはこのKE93ジャンパ栓受けを取り付け,これにKE94アダプタ−を装着してKE93をKE53×2へ変換しておき,既存車との混結を可能としました。いずれKE93を使用する時がきたらKE94アダプタ−を外せばKE93ジャンパ連結器として機能する訳です。
他の放送回路用KE66ジャンパ連結器やブレ−キ回路用のKE67ジャンパ連結器の造作は前のグル−プの車と変化はありません。尚JR九州配置のキハ147 49,50,54は1位側の栓納め取り付け用の窪みが埋められてしまっています。
上の写真はキハ47 110(左側)とキハ47 1008(右側)の後位連結面を撮したものです。左側の110号(54年度2次債務車)にはKE93ジャンパ栓受け(締め付け腕がある部分)が装備され,それにKE94アダプタ−が装着されています。一方右側の1008号(52年度1次債務車)にはKE53Bジャンパ栓受けが装備され,双方がKE53両栓ジャンパ線でつながれていることが判ります。この様にKE93ジャンパ連結器もKE94アダプタ−を介することにより従来のKE53ジャンパ連結器と連結することが出来るのです。
上の写真はKE93ジャンパ栓受けにKE94アダプタ−が装着された状態を撮したものです。青線で囲まれた部分がKE93ジャンパ栓受けで,赤線で囲まれた部分がKE94アダプタ−です。KE93ジャンパ栓受けにKE94アダプタ−を装着する際には,まず邪魔になるKE93ジャンパ栓受けの栓蓋を取り外してしまいます。この写真でも栓蓋が無く,栓蓋と本体とのヒンジ用の穴が確認出来ます。次いでKE93栓受けに誤差込防止ピンをガイドにKE94アダプタ−を挿入します。KE94アダプタ−を挿入した場合には写真の様に締め付け腕は使用出来ないので,締め付け腕は本体のクリップで固定しておきます。その代わりにM10ボルトとナット4本で栓受けとアダプタ−とを固定します。この写真でも固定用のM10ボルトの頭が2個僅かに撮し込まれています。
上の写真はKE93ジャンパ栓受けの取り付け部を撮したものです。KE93ジャンパ栓受けにKE94アダプタ−を装着した場合,アダプタ−の分だけ全長が長くなってしまい,そのままでは車体から飛び出してしまいます。そこでKE93ジャンパ栓受けは通常の位置より奥まった位置に取り付けられます。しかし将来はKE93ジャンパ栓受けとして機能させる計画ですから,その際に本来の位置にKE93ジャンパ栓受けが取り付けられるように幅120mm,奥行き80mmで直径14mmの穴が4つ開けられています。
昭和52年度1次債務車で見られた位置にはボルト穴は在りません。
このグル−プの後位連結部は,前位と同様にKE53B×2がKE93+KE94へ変更になった以外は,前回の52年度1次債務車と変わりはありません。上の写真はキハ47 41の4位でKE53Bジャンパ栓納めが取り付け板を介して妻面に取り付けられています。またその下の写真は4位のKE93+KE94の床下への取り付け部を撮したものです。KE93は補強付きの取り付け板を介して取り付けられていることがことが判ります。
上の写真はキハ47 41後位貫通扉を撮したもので,52年度1次債務車と同様にやはり4位妻面に設けたジャンパ栓納め取り付け用の窪みを避ける為に,貫通扉は3位側へ開くようになっています。ちなみにジャンパ栓納めはKE93化によりKER17からKER16へと変更されますが,栓納め取り付け用の窪みのサイズは継承されました。
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