ジャンパ連結器雑記帳
No.3 KE3の謎
  KE3の項でお話しましたが、KE3の場合誤差込防止キ−がちょっと特異です。まず、栓には円形の突起の誤差込防止キ−が、栓に向かって2時の位置に付いています。この栓を納める栓納めには対象位置である10時の位置に誤差込防止キ−溝が有りました。ところが、栓の連結相手である栓受けのキ−溝は何と9時の位置に付いていました。これでは栓は栓受けに挿入出来ません!。どうやって連結するのだろう?。私は悩みに悩みました。海側、山側でキ−溝の位置が違うのだろうか?。製造時期で違うのだろうか?。色々思い浮かぶ事を確かめに何度も碓氷鉄道文化村に足を運びました。いずれも正解ではありませんでした。ところがある日フッと気づいたのでした。早速自分の考えを確認しにまたしても鉄道文化村を訪問しました。KE3の栓蓋を開き、下側から中を覗き込む様に内部を確認しました。ヤッタ!正解だッ!。では正解とは?。それは右側の写真を見て下さい。キ−溝が奥の方でクランク状に曲がっていることが判ります。すなわち栓を栓受けに挿入する際は、まず栓を30゜反時計回りに回転させてキ−をキ−溝に合わせて挿入します。しばらく挿入すると、それ以上栓は挿入出来なくなります。そこで今度は栓を30゜時計回り
に回転させて(すなわち正常な位置にする)から再びグッと奥に挿入します。これで無事に栓が栓受けに挿入されたことになります。判ってしまえば何て事はないのですが、判るまでに本当に苦しみました。KE3栓受けは15゜下向きに装着されていることと、主回路接触子の外筒と本体内壁との空間が狭かった為に、キ−溝がクランク状に掘られていることを見落としていたのです。写真をとってしまうと安心してしまうのでしょうか、どうも細部の観察が疎かになってしまいます。でも謎解きが出来て本当に良かったです。
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