ジャンパ連結器雑記帳
No.4 やっとゲットしたKE86
  ついに念願のKE86を取材することが出来ました。まさにジャンパ連結器のなかのジャンパ連結器と呼べるものと私は一人思っているのです。右の写真を見て下さい。なんとも無骨で、機能のことしか考えていない、そんなデザインが最高にカッコイイ!。KE86は私の知る限りでは、クモヤ90,クモヤ145,クモヤ440,クモヤ441,クモヤ740,クモル145等に装着されています。装着車が物語る様に、KE86はありとあらゆる車種のジャンパ連結器と連結出来る様に作られたもので、一部では”オバケ”と呼ばれたりもしています。前面に開けられた多くのボルト穴は種々のアダプタ−を装着固定する時に使用するものです。また、正面下部に突き出たピンは、そのKE86が持つ機能(直流電車と連結するか或いは交直流電車と連結するか)によって位置が異なっており誤差込の機能が強化されています。このKE86に連結するKE80ジャンパ栓やKE87アダプタ−にはこのピンと合致する丸穴があけられています。
  機能の一つは、一方にKE80形ジャンパ栓を、他方に異形ジャンパ栓を持つ特殊両栓ジャンパ線を介して種々の車種と連結出来ることです。右の写真は米イモのクモヤ90103の車内に在った、KE80+KE91特殊両栓ジャンパ線でクモヤ90から381系を制御する時に使用します。弊ペ−ジKE91で述べた様に381系の車間には妻面にKE91Fジャンパ栓受けが取り付けてあり、クモヤ90のKE86ジャンパ栓受けとは高低差があります。そこでこのKE80+KE91は高低差を補う為に通常の両栓ジャンパ線より線の長さが長くなっています。KE80形栓の他方の栓としては何種類かあり、今後の発掘が楽しみです。
 もう一つの機能は、上写真のKE87形アダプタ−を介して異形ジャンパ連結器と連結が出来ることです。この写真はKE87C形アダプタ−と呼ばれるもので、やはりクモヤ90103号の車内に在ったもので、伯備線用115系との連結に使用されます。
 上の写真では左側にKE86が確認出来ます。このKE86にKE87Cアダプタ−を取り付けたものが、その下の写真で、車はクモヤ90105です。3連並んだKE76の内の中央のKE76の上に、KE86の栓蓋が開いた状態で見えているのが判りますでしょうか。クモヤ90105に装着されているKE87Cアダプタ−の栓蓋(KE76の栓蓋)を詳細に見ると、後付けと思われるツメが中央及び右側の栓蓋に取り付けてあります。これは一番左側の栓蓋を開けると、それに連動して残りの2個の栓蓋も開く様になっています。 KE87Cアダプタ−を付けた状態は、一見ただのKE76の3連かと見間違ってしまいます。事実、私も不勉強だった頃はそう思い違いをしてしまい裏にKE86が隠れているにもかかわらず、この写真を撮っただけで105号から離れたのです。ところが後日KE87Cの正体を知ってから慌てて105号に会いに行こうとしましたが、105号は既に解体されていました。その様な経緯から103号を訪ねて出雲迄出向くこととなってしまいました。
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