ジャンパ連結器雑記帳
No.10 EF63について (1)
  皆さんがジャンパ連結器で真っ先に思い出すのはEF63の多数のジャンパ連結栓群ではないでしょうか。EF63についてはこれまでに幾つかの特集記事や単行本が出ていますが、誤りや誤解を招きそうな記述が散見されます。そこで私なりにジャンパ連結器からみたEF63について今日はお話しようと思います。
  右の写真はEF63末期に多く見られたジャンパ栓群の形態です。左上よりKE63栓納め、KE63栓納め、KE70栓納め、1段下りてKE66栓受け、KE63栓受け、KE63栓受け、さらに1段下がってKE70栓受け、KE53栓受け、KE76栓受け、最下段はKE62栓受け、KE62栓受けの配置となっています。この中でKE63は同じ東芝製で互換性のあるKE77に交換されたものもありました。後年ではKE63の製造が中止となっていた為に、KE77ジャンパ栓がKE63栓受けに挿入されて使用されていました。左側のKE63はEF62、EF63連結用、右側のKE63はEF62、EF63、157系、165系、181系、183系、185系等の連結に使用します。最下段の2個のKE62栓受けは、キハ82が横軽を通過する際に使われていたものです。一方1個づつ残ったKE53とKE66はキハ57が横軽を通過する際に使用されていたものです。169系横軽協調電車が登場する前は、KE70は当然のごとく取り付けられてはおらず、3個のKE53が並んでいました。3個のKE53は向かって左側より80系電車用KE53、残り2個がキハ57用のKE53でした。協調運転用KE70栓受けの設置に伴い、3個並んだKE53の内、一番左側にあった80系電車用KE53が一番右側に移設され、その位置にあったキハ57用のKE53栓受け1個が撤去されました。KE70は協調運転用でEF63、169系、189系、489系に使用しました。
 2番目の写真は80系電車がまだ横軽を通過していた時代のEF63のジャンパ栓群を撮したもので、2個のKE53が並んでおり、右側のKE53は80系電車用であることを識別する為に緑色に栓蓋が塗られています。その後80系電車が115系電車に置き換えられた為にKE53は115系に合わせてKE76に交換され、一番上の写真の形態となりました。このKE76もやはり湘南色を示す緑色で栓蓋が塗られています。尚、KE53ジャンパ線は80系電車からEF63へ渡されていました。
 最後の写真はEF63×2に抑速されながら横軽を横川へ向かう80系電車です。この80系電車の為に緑色に塗られた栓蓋を持ったKE53が装着されていたのです。
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