ジャンパ連結器雑記帳
No.11 EF63について (2)
  今日は昭和49年から増備された22号機以降のジャンパ栓受け群についてお話させて頂きます。昭和49年になると既にキハ57やキハ82は碓氷峠から姿を消し、通過車両も様変わりしました。そこで当時の通過車両に適応すべく装着ジャンパ栓受けの見直しが図られました。
  右の写真は25号機の栓受け群を写したものです。写真左上よりKE63栓納め、KE63栓納め、KE64栓納め、KE70栓納め、一段下がってKE70栓受け、KE77栓受け、KE77栓受け、最下段に移ってKE63栓納め、KE77栓受け、KE76栓受けの配置になっています。KE63栓納めについては、KE63栓受けを装着していた〜21号機に使われていた栓納めと同じものなので、あえてKE63栓納めと称することにしました。栓蓋が緑色に塗られたKE76栓受けは、”EF63について(1)”と同様に80系電車の115系化によって交換されたもので、80系電車が横軽を通過していた時代はKE53が付いていました。また、一部の書籍ではKE64栓納めをKE53栓納めと記述していますが、これは明らかに誤りであります。右の写真の左から3番目の栓納めを見ると誤差込防止ピンが4時30分の位置に付いていることが判ります。KE53は栓側の6時の位置に誤差込防止ピンがあるので、この栓納めには納めることが出来ません。この栓納めはまさしくKE64用のKER5型栓納めであります。
 右の写真はKE77+KE64特殊両栓ジャンパ線です。当時横軽を通過していた165系や181系電車のジャンパ栓受けはKE64を使用していました。〜21号機迄とこれらの非協調車を連結する際には、EF63の2個並んだKE63栓受けの内、右側のKE63と電車のKE64をこの特殊両栓ジャンパ線を使ってつないでいました。しかし通常EF63のKE63にはEF62、EF63との連結の為にKE63ジャンパ線が挿入されていました。従って連結時にはKE63ジャンパ線の右側の1本を、この特殊両栓ジャンパ線に交換していたのです。22号機以降はこの手間を省く為にKE64栓納めとKE77栓納めを増設して、この特殊両栓ジャンパ線を収納し、かつKE77ジャンパ線をわざわざ取り外さなくても済む様にしました。165系や181系と22号機以降のEF63が連結する場合は、特殊両栓ジャンパ線のKE77側を栓納めから抜き、隣に増設されたKE77栓受けに挿入します。KE64側も栓納めから外し電車のKE64栓受けに挿入し連結完了です。
  一つ気になる点は、183系等KE70栓受けを持つ非協調車が横軽を通過する場合です。私は横軽ウオッチャ−ではないので、KE70を装着した非協調車が横軽を通過したかどうかは知りません。ここからは私の想像ですが、25号機の2個並んだKE77栓受けの右側の方の栓蓋に183の文字が書かれています。もしこれが183系電車を表すとすれば、KE77+KE70特殊両栓ジャンパ線が存在して、当該KE77栓受けに挿入して使用していたと思われます。この件について碓氷峠鉄道文化村の横川機関区OBの方に訊ねてみましたが、良く覚えていらっしゃらないとのことで今のところ謎のままです。
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