ジャンパ連結器雑記帳
No.50 KE70-9Bとの対面
ジャンパ連結器についていろいろと調べていると,是非見てみたい!と思う機種に出会います。そんな見てみたいジャンパ連結器の一つが,今回ご紹介するKE70-9B(10B)でした。機番が示す通り当時標準とされた55心のKE70をベ−スとしていますが,荷物電車や牽引車など多くの異車種と併結する車に使われたもので,栓受け体下部にピンが埋め込まれていることが特徴です。これは先のKE86の項でも触れましたが,特殊両栓ジャンパ線を挿入する為のもので,併結出来る車種によりピンの埋め込み位置を変え,誤連結を防ぐことが目的です。
先日の大井工場一般公開にてクモヤ90801が展示され,それには憧れのKE70-9Bが装着されていました。
クモヤ90801は例年通りゼブラロ−プの向こう側で,KE70-9Bを近くで観察することは叶いませんでしたが,4位に取り付けられた栓受け体下部にはしっかりとピンが確認出来ました。
上の写真はクモヤ90801のKE70-9Bをゼブラロ−プの内側より望遠で撮影したものです。栓受け体の下にピンが突き出ていることが確認出来ます。
上の写真はKE70-9Bへ挿入されるKE80ジャンパ栓です。KE70-9Bのピンに相当する位置にピン穴が開いていることが判ります。
上の図面はKE80ジャンパ栓のものです。ピン穴の位置により使用車種が分けられていることが判ります。
上の写真は’76年に沼津機関区で撮したクモニ83+80系です。このクモニ83にもKE70-9Bが装着されていました。
上の図面はKE70-9B(10B)にKE81,KE82アダプタ−が装着できる様に栓受け体にアダプタ−取り付け板を増設したKE70-9BZ(10BZ)と呼ばれるジャンパ栓受けです。
上の写真はKE86ジャンパ栓受けに装着されたKE81アダプタ−を撮したものです。KE81アダプタ−はKE70-9BZ
(10BZ)に装着してKE64×2として使用するもので,KE82は同様にKE76×2として使用するものです。
上の写真はKE87アダプタ−を装着出来るようにKE70-9BZ(10BZ)をさらに進化させたKE86ジャンパ栓受けです。
上の2枚の写真はKE87アダプタ−で,表側と裏側を撮したものです。写真から判るようにKE87アダプタ−はKE86に装着してKE76×3として使用するものです。
上の写真はKE86にKE87アダプタ−を装着した状態です。
55心KE70をベ−スとした特殊栓受けはKE70-(9A・9B・10A・10B)から始まりKE70-(9AZ・9BZ・10AZ・10BZ)となり,さらにKE86(A・B)と進化しました。一方栓の方もKE80-(1A・1B・2A・2B)から始まりKE81-1B・KE82-(1B・2B)アダプタ−を経てKE87(A・B)アダプタ−へと種類を増やして行きました。
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