ジャンパ連結器雑記帳
No.53 キヤE193系とマヤ50の混結
2005年5月22日月曜日宇都宮駅8時過ぎ
待ちに待ったキヤE193系とマヤ50との併結が実現した。E491系とマヤ50の併結を取材してから一年強の月日が経っていた。新幹線を降りて在来線宇都宮駅の電留線へ向かうと一回り大きなボディ−のマヤ50を間に挟んだキヤE193系が静かに出発の時を待っていた。
当日栃木〜思川間で起きた人身事故の影響で上り列車は最大で約20分の遅れを生じていた。キヤE193系とマヤ50の混結列車の取材を停車時間の長い駒形駅に決めていたが,果たして予定どおり停車時間が確保されるのか多いに危ぶまれた。予定時刻より約10分遅れてキヤE193系+マヤ50が駒形駅2番線へ入線してきた。小山駅で向きが変わる為に,宇都宮駅でみた編成とは逆向きでキクヤE193を先頭にして両毛線を上ってきた。
いよいよ取材開始である。キヤE193系にマヤ50を混結する場合,E491系の時とどこが違うのか?。ワクワクする瞬間である。
上の写真はキヤE193-1の4位とキヤE192-1の2位との連結部です。左側のキヤE193-1の4位にはKE158ジャンパ連結器が使われていますが,相手側のキヤE192-1の2位はYL6-55コネクタが使われています。キヤE193-1の偶数向き側はジャンパを受ける側となるのでKE158ジャンパ連結器が使われており,キヤE192-1の奇数向き側はジャンパを渡す側となるのでボルト固定のYL6-55コネクタが使われているものと考えられます。E491系が同じくKE158+YL6-55特殊両栓を3組み渡していたのに対して,キヤE193系ではKE158-YL6-55特殊両栓を1組みだけ使用しているのが大きな特徴と言えましょう。
上の写真はYL6-55コネクタ−を撮したものです。写真手前側がプラグ(栓の相当)で奥側がソケット(栓受け)みなります。プラグをソケットに挿入後にボルトで固定します。
上の写真はキヤE192-1の4位とマヤ50-5001の2位との連結部です。ちょっと写真が暗いですが,キヤE192-1の4位は偶数向き側なのでKE158ジャンパ連結器が使われています。一方マヤ50-5001の2位では妻面に設けられたツナギ箱の一番外側でYL6-55コネクタによってつながれています。前回のやっと会えたマヤ50(+E491系)でご紹介したようにマヤ50-5001の2位と4位の妻面にはYL6-55コネクタを4組み付けたツナギ箱が取り付けられています。4組みのコネクタは内側より赤色,青色,灰色,黄色に塗られて識別されており,E491系との併結時は内側3組みの赤色,青色,灰色のコネクタが使用され,キヤE193系との混結では一番外側に位置する黄色に塗られたコネクタが使われます。尚,余談ですがE491系との混結時に渡されていた接地ケ−ブルはキヤE193系との混結時には使用されていません。
上の写真はマヤ50-5001のツナギ箱でE491系と混結した時のものです。手前の黄色く塗られたYL6-55ソケットにはキャップが被されて塞がれています。キヤE193系との混結ではこの塞がれていた黄色いYL6-55ソケットが使われます。
上の写真はマヤ50-5001の4位とキクヤE193-1の3位との連結部を撮したものです。マヤ50-5001の2位と4位は共にYL6-55コネクタを使用しており,キクヤE193-1の3位は奇数向きとなる為にこちらもYL6-55コネクタを使用しています。従ってYL6-55両栓ケ−ブル1本により連結されています。またやはり接地ケ−ブルは両車間には渡されていません。
上の写真はキヤE192-1の1位(左側)とキヤE193-1の3位(右側)との連結部を撮したもので,高圧回路が渡されています。使用されているコネクタは3心のYH6が2組み使用されています。低圧回路のYL6-55と異なり,プラグとソケットの接続はボ−ルロック方式となっています。ソケットの下に見えるのは開放プラグを納めるダミ−ソケットです。
上の写真はマヤ50-5001の1位(左側)とキヤE192-1の3位(右側)との連結部です。マヤ50の妻面に設けられたつなぎ箱には1心のYH3ソケットが設置されているので両車間にはYH3×3-YH6の特殊ケ−ブルが2組み使われています。すなわちキヤ側のYH6プラグの口出しケ−ブルを1心×3本として,各ケ−ブルの他端にYH3プラグを取り付けたもので両車をつないでいます。
上左の写真はYH6ソケットにYH6プラグが挿入された状態を撮したものです。口出しケ−ブルは3心の太いケ−ブルが使われています。ソケット取り付け台の下側には開放プラグを納めるダミ−ソケットが取り付けられています。上右写真はマヤ50のYH3コネクタと接続する為に,YH6プラグから1心の細いケ−ブルが3本引き出されている様子を撮したものです。
上の写真はキクヤE193-1の4位(左側)とマヤ50-5001の3位(右側)との連結部です。やはり両車間にはYH3×3-YH6の特殊ケ−ブルが2組み使用されています。
上の写真は左よりキクヤE193〜マヤ50,マヤ50〜キヤE192,キヤE192〜キヤE193との連結部です。キヤE192〜キヤE193の車間部のみ他の車間とホロが異なっていることが判ります。なぜこの車間だけ209系タイプのホロが使われているのかは解りません。
今回はキヤE193とマヤ50との混結について調査を行いました。E491の兄弟であるキヤE193ですが,高圧回路の渡しの相違がマヤ50との混結にも反映されていることが判りました。カメラの調子が今ひとつで綺麗な写真が撮れませんでしたが,混結方法が解明出来て良かったと思います。
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