KE72 ジャンパ連結器


KE72栓受け
20系ブル−トレインや10000系貨車の電磁自動空気ブレ−キ指令用の定格100[V]、9心のジャンパ連結器です。他の多くのジャンパ連結器に比べて小柄なボディ−が愛嬌です。ボディ−が小柄となったために従来のスプリングによる栓脱落防止装置が使えなくなったのか、線バネによる復元力を持たせたツメを栓に掛ける機構を採っているのが特徴です。その後は国鉄ではありませんが,JR貨物の電磁自動空気ブレ−キ対応車に装備されています。

KE72A栓受け
国鉄〜JR貨物と長年装備されている栓受けで,電磁自動空気ブレ−キを装備した暖地向け機関車に装着されています。

KE72C栓受け
JR貨物の電磁自動空気ブレ−キ装備車に装着される栓受けです。

KE72H栓受け
耐寒の為、ヒ−タ−を内蔵したKE72Hジャンパ栓受けです。上の写真と比べると本体下部に四角いブロック状の出っ張りがあることが判ります。この写真はJR貨物のHD300のものですが,国鉄時代のKE72Hと同じものです。

KE72栓受け内部
9個の接触子が整然と並んでいます。誤差込防止キ−は6時の位置についています。

KE72H栓受け内部
ヒ−タが内蔵されている以外は上のKE72栓受けと同じです。内側の底の部分に円周に沿ってヒ−タが見えます。

KE72栓
6時の位置に誤差込防止キ−溝と栓脱落防止装置のツメを引っ掛けるツメが見えます。

栓納め
写真はJR貨物の100系コンテナ車に装着された状態のものです。KE72の栓納めは20系客車や10000系貨車時代から変りはありません。栓脱落防止のツメがしっかりと栓のツメに掛かっているのが判ると思います。JR貨物になってからは写真のようにチェ−ンも用意され,万一栓が栓納めから外れても垂れ下がり事故にならないように工夫されています。

KE72H栓納め
これはJR貨物HD300に装備されたKE72H栓納めです。このほかにEF81 450番台にも同じ栓納めが装備されています。上の100系貨車のものとは形状が異なっています。

連結部
100系コキ車間に渡されるKE72ジャンパ連結器です。左側の車から片栓が渡され,右側の車の栓受けに装入されています。



ナハネ20 347の2位一番右側にあるのがKE72片栓と栓納めです。
トワイライトエクスプレスのスロネ25の東京方に装備されたKE72A栓受け(向かって左端)。編成全体に引通すためではなく,おそらく隣車との何らかのサ−ビス関係の引通だと思われます。
東小倉に留置されていたレムフ10000(左)とレサ10117(右)との連結部。レムフ10000には栓納めに納った片栓が確認出来ます。更にレムフの密着自動連結器の下部にはKE84電気連結器も確認出来ます。
大宮鉄道博物館のレムフ10000のKE72片栓と栓納めです。
100系コンテナ車のKE72C栓受け(右端)と片栓(左端)です。
EF65 501のKE72栓受け(一番右端)です。
EF65 520に装備されたKE72栓受け(一番右端)です。
EF65 1001に装備されたKE72H栓受け(一番右端)です。
EF66 1に装備されたKE72栓受け(一番右端)です。
ED75 1024に装備されたKE72H栓受け(一番左端と一番右端)です。両渡り構造ですが,両栓は装備されていません。機械室のなかにでもほかんされているのでしょうか?
EF81 23に装備されたKE72H栓受け(一番右端)です。
EF81 451に両渡り構造で装備されたKE72。KE72H栓受け,KE72H栓納め,そしてKE72片栓が使われています。EF81で両渡りでKE72が装備されているのは450番台だけですが実際に両渡り構造が活かされたかは不明です。
EF200 3に装備されたKE72H栓受け(一番右端)です。
EF210 111に装備されたKE72A栓受け(一番右端)です。
EF500 901に装備されたKE72H栓受け(一番右端)です。
EF510 19に装備されたKE72H栓受け(一番右端)です。
EF510 506に装備されたKE72H栓受け(一番右端)です。
EH200 13に装備されたKE72H栓受け(一番右端)です。
EH500 901に装備されたKE72H栓受け(一番右端)です。
HD300-901に装備されたKE72H栓納めと,それに装入されたKE72片栓(左端)。右端にはKE72H栓受けが装備されています。



自動密着連結器を装備したEF66は自動密着連結器の機能に加えて,自動連結器としても使える様に考えられました。自動密着連結器同士を連結した場合,連結された連結器は1本の棒連結器と考えられます。従って連結器は一定の範囲内で上下動と左右動が許容されることが必要です。他方,自動連結器(並連)との連結に於いては遊間があるので,そこで上下動が許容されるので連結器自体の上下動は必要ありません。むしろ連結器自体も上下動を許容したら,連結器が外れたり壊れたりする危険性があります。
そこで密着自動連結器として使用する場合は上下動を許容し,自動連結器として使用する場合には上下動をさせないようにする連結器上下動抑止機構および連結器が中心を向くようにする腹心機構の双方が装備されています。その機構を収容するために連結器周辺のスカートが出っ張っています。(連結器が前に出ているので,通常のEF81よりも連結面間距離が長くなっています。)
上の写真はトワイライトエクスプレス牽引様EF81 104ですが,やはり上下動抑止機構と腹心機構が組み込まれており,連結器周辺がスカ−トより一段出っ張った形をしています。
これらの機関車が電磁自動ブレ−キ付きの貨車を牽引する際,KE72片栓は貨車側から渡されることになります。ジャンパケ−ブルの長さは偏倚により張り過ぎたり,緩み過ぎたりしないように各車で固有の長さが決められています。後退角度の大きいスカ−トを装着していたり,上下動抑止装置や腹心装置の装備により通常よりも連結器が前に出ている場合には,栓受け自体をを前側に出して取り付けて,ジャンパケ−ブルの長さが足りる様になっています。



国鉄やJR以外にも関東鉄道常総線の車両にもKE72が使われています。下館方を向いて左側2位にKE72栓受けが見えます。(キハ2109(左)とキハ313(右))
キハ309の取手方2位にはKE72栓納め,両栓,栓受けの3点セットが装備されています。
キハ350の妻面2位にもKE72栓納め,両栓,栓受けの3点セットが装備されています。
栓受けに栓が装入されているところです。銘板によればKE72Aが使われているようです。
栓納めに栓が装入されているところです。
栓納めは下を向いて取り付けられているので,下側から撮りました。
栓納めの内部です。底部の内周には接点の短絡を防ぐ為に栓が浮く様に緩衝ゴムがあり,蓋との接触部には防止の為のゴムリングがあります。



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