ジャンパ連結器雑記帳
No.12 EF63について (3)
  最終回の今夜はEF632のジャンパ栓受け群についてお話させて頂きます。まず本題に入る前に22号機以降のKE64栓納めKER5型について補足をさせて頂きます。それは22・23号機と24・25号機でKER5型ジャンパ栓納めの装着方法が異なることです。24・25号機へのKER5型の装着方法は、KE70栓納めのKER6型と同様に栓納めの内側が正面を向く様に取り付けられていますが、22・23号機のそれは165系電車等と同じく栓納め内側が下を向くように取り付けられていました。
  さて、本題のEF632のジャンパ栓受け群は右の写真に見られる様に22号機以降と同じ枠組に装着されています。『EF63について(1)』の2号機の写真と比べると大きく変更されたことが判ります。変更時期が何時なのか、変更理由は何だったのかは私は知りませんが、既に運用の無いキハ82用KE62栓受けが無いのは良いとして、キハ57放送回路用のKE66が無くなっているにもかかわらずKE53栓受けが残っているのが不思議でなりません。面白いのはKE63栓納めの形状が変わったことです。この栓納めを詳細に視てみると、どうやらKE63栓受けを改造したものと推察されます。KE63栓受け本体は4本のボルトによって前側の部分(栓を挿入する円形の部分)と後ろ側の部分の2つのパ−ツに分解することが出来ますが、EF632の栓納めは、まさにこの前側のパ−ツを四角い板にボルトで装着したものと思われます。その証拠に栓蓋の下側後ろに栓納め時代に付いていたヒ−タ−仕込みボックス取り付け用のフランジ部が僅かに見えています。
 以上でEF63のジャンパ栓受け群についてのお話は終わりですが、蛇足ながら横軽にまつわるお話を幾つか紹介させて頂きます。右の写真は碓氷峠鉄道文化村の旧検修庫内で見つけた機器で協調運転試験器と銘打たれていました。製造元は富士計測器(株)と印されていたと思います。機器の横にKE70栓受けが付いており、EF63のKE70-G3ジャンパ線をつないで協調機能の試験に供されていたものと推察されます。
 次の写真もやはり検修庫内で見つけたもので、検査時に取り外したジャンパ線を掛けておくのでしょうか、各ジャンパ線の名称が書かれたフックが壁に取り付けられていました。一番右の”オバケ”と書かれたものは、おそらくKE77+KE64特殊両栓ジャンパ線を指すものと思われます。

 
  最後は写真はないのですが、新前橋区の107系についてです。この車は横軽対策施工車ですが、これ迄横軽通過車は麓側に重い電動車を持ってくるというル−ルがあったと思います。長野の169系などはわざわざ向きを変えてクモハ169が麓側にくるようにしていました。ところが新前橋区の107系はクモハ107が軽井沢向き、クハ106が麓向きで正規の向きに編成されています。そしてクモハ107の1位にはKE5栓受け×1、2位にはKE76栓受け、栓納め及び線×3が装着されています。一方クハ106の1位にはKE76栓受け×3、2位にはKE5栓受け×1にKE76栓受け×1が装着されています。何が言いたいかというと制御用のKE76×3の引き通しが、EF63のジャンパ栓受け群とは反対側にあることです。このままでは横軽対策車でありながら、EF63と連結出来ないことになります。そこでEF63と連結する為にクハ106の2位にKE76栓受けが1個装着されているのです。前述した様にクモハ107の1位側にはKE76栓受けはありません。
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