ジャンパ連結器雑記帳
No.23 北陸の栓納め
  今日は北陸本線で見かけた面白い栓納めを紹介させて戴きます。実際は私も現物を見て初めて気が付いた次第で情けない限りです。北陸本線では氷柱対策の為に先頭車の種別表示窓を埋めるなどの独特な改造が見られますが,ジャンパ栓納めについても雪害対策の為でしょうか独特な改造が見られました。
  最初はKER4-2栓納めに締め付け腕を取り付けたKER4-3栓納めで,写真はクモハ457-16のものです。3連のKER4-2栓納めの内写真奥の2連に締め付け腕の取り付け改造がなされています。
よく観察してみると,栓納めを車体に固定するネジ穴を利用して締め付け腕ユニットが装着されています。この様にKER4-2栓納めに後天的に締め付け腕を取り付けた栓納めをKER4-3と称し,他線では見ることが出来ません。北陸本線で使われる交直流急行型電車にはほとんどKER4-3が使われているようです。
  次の写真はクモハ419-3のKE70用の栓納めで,KER6栓納めに改造で蓋が取り付けられています。KE70HB用やKE70HD用の栓納めは蓋が付くのが標準ですが,KER6に蓋が付いた栓納めはやはり北陸本線のクモハ419とクモハ485-200番台でしか見られません。 締め付け腕が本来のKER6と反対に,栓納め上側に来るので一見KE96用の栓納めと見間違ってしまいますので注意が必要です。
  次の写真はクモハ413-3のKER4-4栓納めに,蓋の取り付け改造を施したものです。本来のKER4-4はKE76とKE58の双方を納められる様に,締め付け腕が独特の形状をしていますが,現在ではKE76栓に統一されたこと及び蓋との干渉を避ける為に普通の締め付け腕に改造されています。この栓納めも北陸本線の413系でしか見ることが出来ません。
  最後の写真も北陸本線の413系と415系800番台で見られる栓蓋付きKE96用栓納めKER19-2です。KER19-2はこの他にも仙台地区で活躍する717系にも用いられています。
 これら一連の栓納めを眺めてみると,北陸本線では栓納めからのジャンパ栓の脱落と,栓納め内への異物(雨水,雪)の侵入を防ぐ対策が講じられていることが伺えます。同じ豪雪地帯を走る上信越線で使われる115系のKER4-4には栓蓋の取り付けは行われていません。 このことより北陸本線に独特の理由が在るのか,或いは西日本旅客鉄道株式会社独自の判断による対策なのか定かではありませんが,珍しい事例ということで紹介させて戴きました。

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