ジャンパ連結器雑記帳
No.47 何をやっているんだ久留里線
久留里線の車両は幕張電車区木更津支区のキハ37,キハ38そして今や貴重なキハ30が使われています。しかし,ここのキハ達にはとんでもない改造が施されていました。本来これらの3系列にはKE53が使われていますが,そのKE53ジャンパ栓受けを撤去しKE93ジャンパ栓受けに交換してあるのです。しかしそこまでならば渡し線の増加や解結作業簡素化を目的としてKE93化したものと納得出来るのですが・・・さにあらず。1位〜4位の全てをKE93に交換したまでは良いのですが,わざわざKE94アダプタ−を装着して渡しは従来のKE53両栓ジャンパ線によって行っているのです???。他の線区の気動車との併結運用があるわけでもなく,全車完璧にKE93化が完了しているのに,KE94を介してKE53でつないでいる。今回はその意味不明な改造ぶりをご紹介したいと思います。
まず最初に比較的原型を保っている米トウのキハ37 1の前位連結部をご覧下さい。一般的なKE53Bジャンパ栓受けが1位と2位に配置されています。特に2位側は架台が用意され,それにKE53Bと放送用のKE66ジャンパ栓受けが装着されていることが判ります。この写真は千キサのキハ37 2の前位連結部です。米トウの写真と比べるとKE53B栓受けはKE93栓受けへと交換されています。さらに2位側はKE94アダプタ−が装着され,KE66栓受けは独立して取り付けられています。また,キハ37 1では埋められていた1位の窪みが,キハ37 2では窪み塞ぎ板が取り付けられていることよりそのまま残されていることが判ります。
この写真はキハ37 2の1位のKE93ジャンパ栓受けの取り付け状態を撮したものです。使われていたKE93ジャンパ栓受けはKE94アダプタ−が取り付けられるボルト穴付きのものです。床下への取り付けは取り付け架台を新設して,それを介して取り付けられていることが判ります。
この写真はキハ37 2の2位側を撮したものです。KE93栓受けにKE94アダプタ−が装着されている様子が判ります。キハ37 1で見られたKE53BとKE66を取り付けていた架台は撤去され,新たに1位側と同じ架台を取り付けてKE93が取り付けられています。これに伴いKE66栓受けは独立して隣に取り付けられています。
この写真はキハ37 1の3位の様子です。妻面にはKE53栓納めが取り付け板を介して取り付けられています。一方床下には2位と同様に架台を介してKE53B栓受けとKE66栓受けが取り付けられています。タラコ色の剥げたところには加古川線時代のグリ−ン色が見えています。
この写真はキハ37 2の3位の様子を撮したものです。KE53B栓受けは架台ごと撤去され新たな架台を取り付け,それにKE93栓受けが取り付けられています。また,妻面には必要のなくなったKE53栓納めがそのまま残されており,改造工事の内容に一貫性がないことが伺えます。
この写真はキハ37 1(左)とキハ37 2(右)の各4位を撮したものです。キハ37 2ではKE53B栓受けをKE93栓受けに交換し,KE94アダプタ−を介してKE53両栓ジャンパ線で渡しが行われています。
上の写真は八高線時代のキハ38 1(上)と現在のキハ38 1(下)の前位を撮したものです。八高線時代のキハ38 1では1位,2位共にKE53B栓受けが使用され,特に2位のそれはキハ37 1場合と同様に架台を介して取り付けられていたことが判ります。現在では1位,2位共にKE93化され,1位にはKE94アダプタ−が取り付けられています。ちなみに八高線時代は2位側の元ダメ管ホ−スが外されていたのに対して久留里線の現在は反対側に1位側の元ダメ管ホ−スが外されています。
上の写真はキハ30 98の後位を撮したものです。やはり3位,4位共にKE93化が施工され,3位にはKE94アダプタ−が装着されています。
上の写真はキハ37 2(左)とキハ38 1(右)の連結部です。全車1位から4位まで全てKE93化改造を施しておきながら,わざわざKE94アダプタ−を取り付けてKE53両栓ジャンパ線を使って渡りを行っているのです。おまけにキハ37,キハ38共に3位妻面のKE53栓納めは残されています。さらにKE93栓用のKER16栓納めは取り付けられていません。まぁ栓納めは無くても高々1本のジャンパ線ぐらいは運転室内に収納しておけば済むことなので大きな問題はないのですが,それにしも一体何の為のKE93化改造工事なのでしょう。
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