ジャンパ連結器雑記帳
No.19 JAE 日本航空電子工業(株)
  今日はJAE(日本航空電子工業株式会社)殿の56心3本線のジャンパ連結器についてご紹介します。JAEは新幹線用の電気連結器で有名ですが,私はまだ見たことがないのですが,103系に使われていたというKE71もJAEの製品です。また私鉄各社のコネクタ−類も数多く手掛けております。
                           OER4000系       CTK5000系(都営6000系)
  上の写真はJAEの56心ジャンパ連結器を装着した小田急4000系電車と秩父鉄道5000系電車です。この56心ジャンパ連結器こそ,私をジャンパ連結器の虜にしたそのものなのです。小田急では相模大野駅で小田原線と江ノ島線との列車を分割併合する関係で一部の旧形車を除き全てこの56心ジャンパ連結器が取り付けられていました。新宿寄り海側には片栓構造の3本線が装着され,小田原・藤沢寄りの海側には栓受けが装着されていました。このジャンパ連結器は電連化(三菱電機製)されるまでの小田急のお顔を特徴付ける重要な要素でした。
 現在の小田急では,この56心ジャンパ連結器を見ることが出来ません。このジャンパ連結器を一目見たくて探したところ,元小田急1800系の廃車体と秩父鉄道を走る元都営6000系で見れることが判りました。
                     CTK800系(元小田急1800系  CTK5000系(元都営6000系)
 左は元小田急1800系の秩父鉄道800系の廃車体に付いている栓受けで,右は元都営6000系の秩父鉄道5000系に付いている栓受けです。小田急時代には栓蓋の上に防水の為にカバ−が付いていましたが,廃車体のそれには付いていませんでした。JAEの同形式のジャンパ連結器を持った車輌が,秩父鉄道を走ったことに何か因縁めいたものを感じます。双方共に栓蓋にJAEの浮き出し文字が描かれています。本当は3本の片栓ジャンパ線を見たかったのですが,CTK800系の廃車体は小田原寄りの車の為に,栓受けのみしか付いておらず,またCTK5000系の方は両栓ジャンパ線が車間に渡されており,先頭車は栓受けのみとなっています。
  右の写真はCTK5000系の妻面に取り付けられている栓納めです。小田急の新宿寄り先頭車に付いていた物に酷似しています。小田急では栓の脱落防止の為に栓とをつなぐ鎖が付いていましたが,都営では使われていなかったようです。
  下左の写真は栓受けの内部を撮したものです。国鉄のジャンパ連結器に比べると大分造作が違っていることが判ります。この造作をみて益々栓の内部を見てみたくなりましたが,叶わぬ思いでしょうか。この栓受けの形式は銘板によれば
『DB56F338型』と称されるものらしいです。
  下右の写真はCTK5000系の車間に渡されている両栓タイプの3本ジャンパ線です。現在では栓を見たければ,この秩父鉄道にお願するか,小田急で保存している2200系を見るしかありません。

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