KE96 ジャンパ連結器


栓受け
定格100[V],74心のジャンパ連結器で1979年登場の117系電車の連結面に採用されたのが最初だと思われる(先頭部はKE97ジャンパ連結器を採用)。その後201系量産車(試作車KE70+KE76で登場し,量産化改造でKE96となった),203系,205系,207系,211系,213系,119系,121系,413系,717系,185系等など多くの車両に使用された。また民営化後に登場した車両にも多く採用された。
KE96ジャンパ連結器は後述するKE97ジャンパ連結器と同じ鋳型を使用して筐体を製造しているのか斜め上に左右2カ所,下部に1カ所の膨らみが確認出来る。
左の写真は斜め下から撮したKE96ジャンパ栓受けで,筐体下部の膨らみが良く判るかと思います。

栓受け内部
74心の突き合わせ式接触子が並びます。KE70と異なり接触子の大きさはすべて同じです。防水は外周のOリングで行います。225°の位置に誤差仕込み防止キ−が取り付けられています。

KE96ジャンパ栓の様子です。栓受けに対応する135°の位置に誤差仕込み防止キ−溝が掘られています。

栓納め
連結していない時のKE96栓を保持しておく栓納めまたは解放栓受けといい,形式名はKER19です。
栓納めの内部は空で外周部には防水の為のOリングが装着されています。栓受けと同様に締め付け腕を利用して栓を保持します。
寒冷地で使用する車両の栓納めには,栓が入っていない時に雪などが内部に入り込まないように蓋を付けているものもあります。

KE96全体像
クハ185の2位に装備されたKE96ジャンパ連結器です。KE96ジャンパ栓受け,KE96両栓,KER19栓納めから構成されています。走行中の栓の脱落を防止するためKER19栓納めから小さな鎖で栓を支えているのが判ります。

クハ210とサロ211の連結部に渡されるKE96。サロには電連が装備されていないため,KE96ジャンパ連結器を使用する。クハの電連が遊んでいるのが判る。
クハ201の2エンド(向かって右側)に装備されたKE96ジャンパ連結器 
クハ204の1エンド(向かって左側)に装備されたKE96ジャンパ栓受け。 
クモヤ143の2エンド外側(向かって一番右側)に装備されたKE96ジャンパ栓受け。 



KE96Hジャンパ栓受け
ED79の重連総括制御用に装備されたもので,保温用ヒ−タ付きであることを示す"H"が附される。これまで見てきたKE96とは筐体が異なり,外周3カ所にあった出っ張りが無くなっている一方で,下部にはヒ−タ用端子台が入る四角い箱状のものが付いている。
少し判りにくいがこの四角い箱状の下には1本の短いチュ−ブが出ており,栓受け内部が結露しないように気抜き穴となっている。
ED75-700番台からED79への改造は86〜87年に行われているが,このKE96H栓受けの製造は2002年であることから,補修交換品であると考えられる。

KE96H栓受け内部
74心ですが,接触子の配置がKE96とは45°回転しています。すなわち天地方向が左右方向へ回転しています。また誤差仕込み防止キ−が180°の位置に付いており,KE96の栓を挿入することが出来ない構造となっています。ちょっと見難いですが栓受け内周には白いシ−スヒ−タが貼られていることが判ります。

KE96A栓
KE96Hに挿入される栓はKE96Aと言います。やはり接触子の配置がKE96栓とは45°回転しており,誤差仕込み防止キ−溝は180°の位置に掘られています。KE96A栓もKE96栓受けには挿入出来ない構造となっています。

栓納め
栓納め内部の様子です。白いシ−スヒ−タとその配線を確認することが出来ます。防水は外周部のOリングによります。

KE96Hジャンパ連結器全体像
ED790の2エンド側に装備されたKE96ジャンパ連結器です。重連運転時の総括制御に使用します。種車のED75700が重連運転をするときは27心のKE77を使用していましたが,ED79への改造で74心のKE96へ交換されています。太いケ−ブルが頼もしいですね。

ED79100(左)とED790(右)の連結部に渡されるKE96ジャンパ連結器



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